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歯を支える骨の再生療法は可能?

歯を支える骨の再生療法は可能?

顎の骨の模型の写真
歯周病は歯を支える骨が痩せてしまう病気です。
ひどくなってくると支える骨が少なくなり、歯を支える事が出来なくなってグラグラしたり抜けてしまったりします。

そんな時、歯を支える骨は再生する事が出来るのでしょうか?
それでは、歯周病になって骨が減ってしまった場合に、どの様な治療をする事が出来るかご説明します。

【歯の根と骨をつなぐ歯根膜について】

歯の根と骨の間に薄い膜があります。
この膜の事を歯根膜と言います。

この歯根膜の役割は重要で、噛んだ時のクッションの役割をして骨に力がかかり過ぎないようにしてくれます。

また、骨に対して刺激が伝わる様にしてくれるので、全身のバランスに影響を与える大切な役割を担っています。

歯を失う前に歯周病で骨が痩せてきてしまった時に出来る再生療法は次の様なものがあります。

【エムドゲイン】

エムドゲインは歯周病で溶けてしまった歯の骨や歯根膜の組織を再生させる再生療法です。
エムドゲインというジェルは、タンパク質の一種で歯が生えてくる時と同じ様な環境にして歯の根の周りの組織の再生を促します。

〈メリット〉
エムドゲインによって、歯の骨や周りの組織が再生される事で、歯周ポケットが改善され歯ブラシをしやすい環境になります。
このことで、歯周病の進行や再発のリスクを少なくしてくれます。

また歯周病が進行してしまうと、歯ぐきが下がってしまい、歯が伸びた様になってしまいますが、エムドゲインで治療する事によって見た目も改善する事ができます。

【GTR】

GTRも歯周病で溶けてしまった歯の骨や歯周組織を再生させる再生療法です。
GTRは歯周病の原因になってしまう歯石をしっかりと除去して『メンブレン』という人工の膜を入れて歯根膜や周りの組織の再生を促す治療です。

一定期間メンブレンを入れておく事で、歯の周りの組織が再生するスペースを確保する事ができます。

以前はメンブレンを取り出す必要があり、2回の手術が必要でしたが、最近では吸収される素材も出てきて手術が1回で済むようになりました。
ただ、エムドゲインに比べるとメンブレンが露出するリスクがあり、感染のリスクが高くなってしまう事があります。

歯周病で歯を抜かなくてはいけなくなった場合に骨の吸収を防ぐ方法もあります。

【ソケットプリザベーション法】

歯が無くなってしまった状態が続いてしまうと骨に刺激が伝わらず、骨は少しずつ減っていってしまいます。

そこで、歯周病で歯を残す事が難しくなってしまった時に、歯を抜かなければならない場合にソケットプリザベーション法をする事が出来ます。

それは、歯を抜いた所に骨充填剤を入れて骨の再生を待つ方法です。
骨が少ない状態だとインプラント手術をする事が難しくなってしまうので、その間骨が痩せるのを防ぐ事が出来ます。

歯が無くなってしまった部分には骨移植もあります。

【骨移植】

ご自身の他の骨が厚い部分から骨を採取して骨を造っていく方法です。
自分の骨を使うので安心ではありますが、デメリットもあります。

それは、骨を採取する部分も手術しなければならないので、2か所手術をしなければならない事です。
また、骨が多い部分でも骨を採取するので、痛みや腫れを伴う事があり患者さんの負担になってしまう事があります。

【歯を失った際のインプラントの条件】

インプラントは歯を失った際に骨に人工歯根を埋め込んで、被せ物をしていくので、周りの歯に負担をかける事無く、その部分だけで治療する事が出来ますが、治療の際に条件があります。

それは一定量の骨が残っている事です。

骨が少なくなってしまうと、支えが少なくなってしまうのでインプラントがうまく定着しません。
インプラント治療を成功して長持ちさせるには、骨の量が十分にある事が必要になってきます。

骨が痩せてしまう大きな原因は、歯石や汚れが歯ぐきの境目についたままになって、炎症をおこしてしまう事です。

骨が痩せてしまうと自分では再生する事が無いので、骨の量を出来るだけ改善するには再生療法をしていく事になりますが、歯ぐきの中の治療なので、負担もあります。
また一定量の改善は見込めますが、元の通りにするのが難しい事もあります。

インプラント治療をする際に骨が足りなくて治療する事が出来ないとう事にならない様に、日頃からのケアが大切になってきます。

歯科の技術が進歩して、再生医療も発達してきましたが、時間や手術になるので痛みなどがあったりする事はあります。
そこで、骨が少なくなってしまう原因の歯周病を進行させない様にブラッシングをしっかりしてあげてケアをしてあげましょう。

また、歯周病は自分で気が付かない間に進行してしまって、症状が出た時にはかなり進行してしまっている病気です。
病気になってから歯科医院に通うのでは無く、定期的に検診をしていると、歯周病のサインが出た際もすぐに気が付く事が出来ます。

歯周病にならない環境を作って骨の量が十分な状態を保ってあげる事が一番のおすすめです。

  • -この記事を監修した歯科医-

    くろさわ歯科医院 副院長 前田 昌孝

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